プレミアムフライデーの効果

2018年4月16日 / 研究員 鈴木 孝義

 プレミアムフライデーが始まって1年が過ぎました。プレミアムフライデー推進協議会注1事務局の調査によると、プレミアムフライデーの認知率は約90%と高く、また調査対象者の過半数が賛意を示しており、社会の期待が依然として高い様子が伺えます。一方で、早帰りを実施している企業が少ないことが指摘されており、施策の有効性が疑問視されています。本コラムでは、個人消費支出の観点からプレミアムフライデーの効果を検証したいと思います。

 使用するデータは、総務省統計局が発表している家計調査のなかの「1世帯あたりの日別支出(二人以上世帯のうち勤労者世帯)」です。プレミアムフライデーの日の消費支出額が実施前と比べて、どれぐらい変化したかを費目別に調べてみました。結果は下表のとおり注2です。

 

表. プレミアムフライデー関連費目の支出金額

プレミアムフライデー

関連費目

プレミアムフライデー

結果

未実施期間平均 実施期間平均
外食 555 572
洋服 176 130 ×
履物 55 52 ×
宿泊料 73 46 ×
パック旅行費 158 119 ×
他の教養娯楽サービス 130 113 ×

出所:家計調査(総務省)より東急総合研究所にて作成          (単位:円)

 

 まずは外食。弊社の近くの飲食店でもハッピーアワーの幟が目立つなど、飲食店の販促施策もあってか増加しています。

 次に洋服、履物。つまりショッピング関係の支出ですが、これらは減少しています。早帰りを実施している企業が少ないためでしょうか、ショッピングをする時間的な余裕がなく、消費に結びついていないようです。

 それから宿泊料、パック旅行費などの旅行関係費。花金と呼ばれたかつてのように、週末金曜日の夕方から旅行とはいかず、支出額は減少しています。

 最後に他の教養娯楽サービスです。映画、演劇、遊園地等入場料やスポーツ施設の使用料が含まれますが、こちらも減少しています。

 今回の検証では、景況感、物価、当日の天候等を考慮していませんが、巷で言われているようにプレミアムフライデーの実施効果は今ひとつのようです。ただし、効果が出ていないので、意味がなかったと結論付けてしまうことは早計かもしれません。それは、プレミアムフライデーの導入の目的は消費の喚起だけでなく、働き方改革も目指しているからです。

 プレミアムフライデー推進協議会事務局の調査によると、「プレミアムフライデーに向けて計画的に業務・休暇スケジュールを組み、働き方や業務プロセスを見直す意識が高まった」「月末金曜日に限定せず、毎月好きな日に午後3時退社が出来る制度を導入した」など、プレミアムフライデーの取組みに対して働き方を見直した事例があります。今まで当たり前に受け入れてきた自分たちの働き方について、改めて考えてみる良い機会になったのではないでしょうか。

 

注1:プレミアムフライデー推進協議会

プレミアムフライデーを国民運動として推進していくための実施方針等の検討、普及啓発などを行うため、趣意に賛同する企業・団体等が会員となって活動している。

注2:プレミアムフライデー関連費目の支出金額の算出方法

プレミアムフライデー実施日(2017年2月~2018年1月の12日間)とプレミアムフライデー未実施日(2016年2月~2017年1月の月末最終金曜日の12日間)のそれぞれの消費支出額の平均を算出。