2018年度

3.AIを活用した新築分譲マンションのマーケティング手法の研究

                                                      研究員 宮本 翔太

1.研究の背景・目的
 新築分譲マンション事業においては、最適な値付けが肝要であり、そのために複雑な売れ行き要因を分析する必要がある。
 その売れ行き要因の分析においては、新築分譲マンションに関する蓄積された販売データを活用することになるが、大量なデータであるが
故に人力による分析は容易ではない。そこで、近年急速に普及が進むAI(人工知能)/機械学習の活用が有効であると考えられる。
 本研究では、大量の新築分譲マンション販売データをAI(人工知能)/機械学習により分析し、新築分譲マンションの売れ行き要因を
抽出することを試みている。

2.研究テーマ
(1)新築分譲マンションの売れ行き要因の分析
(2)蓄積されたマンションデータのAI(人工知能)/機械学習による分析

3.調査概要
(1)環境分析および分析手法に関する検証
(2)データの加工・集計
 ①対象データ:首都圏新築分譲マンションデータ(出所:MRCマンションデータ)
 ②対象エリア:首都圏全域(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、茨城県)
 ③対象期間 :2008年4月~2018年5月(この間に販売開始された住戸)
 ④データ数 :370,970戸(販売期単位では17,906期、プロジェクト単位では5,826
        プロジェクト)
 ⑤データ項目:物件・販売情報、地理的情報等
(3)AI(人工知能)/機械学習による分析(ランダムフォレスト分析)
  ランダムフォレスト分析とは、機械学習のアルゴリズムのひとつで、ランダムに抽出したサンプルデータと説明変数(データ項目)から
 多数の決定木を構築・学習し、それに基づいて予測を行う手法である。
  この手法は、決定木構築の際に各説明変数の重要度が算出されることから、AI(人工知能)の中でも出力結果が分析者にとって解釈
 しやすいといわれているため、本研究ではランダムフォレスト分析を採用した。